翻訳コラム

技術者の意図と特許取得のための書類の作成内容の違い
   ~PCT出願を通じて理解が進んだこと~

技術者は技術開発に携わり、対象技術の良さを特許出願書類に記載しようとします。 しかし、特許書類を作成する特許業界の方は開発技術を権利化し、かつ権利範囲を広く獲得することを意識して、特許出願書類を作成…

日本語翻訳には英語の「不定冠詞/定冠詞」、「単数/複数」の理解が必要

 近年、機械翻訳の技術が進歩したため、英語から日本語への翻訳はやや簡単になりました。機械翻訳の経験者ならわかると思いますが、機械翻訳後の日本語にはところどころに理解できない箇所があります。よって、い…

取扱説明書の翻訳 主題はインパクトを大きく、内容は正確に

取扱説明書の翻訳を依頼し、海外版を作成した際、国内版と大きく異なることになったという経験をしたことがありましたので、そのことをご紹介いたします。 国内の取扱説明書では、表紙にモノクロ写真を掲載し、…

TOEICが葵の紋所?

私はもうかれこれ30年ぐらい翻訳で生計立ててきた個人事業主なのだが、この4年ほど翻訳のメインストリームから外れて生きている。今、「翻訳のメインストリーム」がそもそも何なのかわかりにくくなっている。2000年…

翻訳会社の選定

私は以前、製造メーカーのドキュメント部門に所属していました。部門には翻訳を専門とするチームもありました。そこで、製造した製品の取扱説明書やマニュアルなどのドキュメントや、エンジニアの出張用の資料など…

AI翻訳? フリーランスマッチング? 誰が品質の責任を負うのか?

コロナ禍の最中、「自動翻訳」が急激な進化を遂げている。自動翻訳と言えば、今まで、旧式の「機械翻訳」が長く支配的だった。私が産業翻訳に関りを持った1990年代初頭は、翻訳機に多額の投資をした企業が散見され…

マニュアルの作成・翻訳と認知心理学

多くの場合、英訳する元となる和文マニュアルは、技術者(エンジニア)またはテクニカルライターが、古いバージョンの製品のマニュアルをベースに、仕様書や内部の技術資料を参考にしながら作成します。和文マニュ…

文書の種類が異なれば注意点も異なる

今回は、技術文書を翻訳するときの注意点を文書別に書いていきたいと思います。①取扱説明書やマニュアル類、②PR資料、③論文、④特許明細書、⑤契約書、についてそれぞれ触れていきます。 ①取扱説明書やマニュアル…

用語統一の重要性

用語や表現を統一することは、正確でわかりやすい翻訳に重要な要素のひとつであると言われます。今回は用語統一の重要性についてお話ししたいと思います。 小説の場合は、多彩な表現を用いて読み手を飽きさせな…

翻訳対象の知識を深めよう

みなさんご存じのとおり、技術文書にはいろいろな種類があります。文書の種類でいうと、ユーザーズマニュアル、取扱説明書、技術資料、図面、カタログ、会社概要、学術論文、契約書、特許明細書、などでしょうか。…